4Kモニターは徐々に普及してきたけど、まだまだPC用途としての4Kモニターは少数派ではないだろうか?
4Kモニター=高画質、ということで、クリエイティブ作業向けのモニターという認識を持ってました。しかし、4Kモニターである「BenQ EL2870U」を私が実際に使用して感じたことは、オフィス系を中心とした業務系アプリケーションで、高精細な4Kの特性を活かし、作業の効率化を実現できる、ということだ。
つまり、4Kモニターのメリットは、PCを使う多くの方が享受できる、ということである。
今回の記事では、4Kモニターの魅力について触れてみたい。
勢いで4Kモニターを買ってみた
もともと、私はプライベートもビジネスもノートPCを使っており、PCのディスプレイと外付けモニターのデュアルモニター環境を使用している。デュアルモニター環境に完全に慣れきっており、シングルモニターでは効率が落ちるため、シングルモニターには戻ることはできない。
在宅勤務が長引くことが見えてきたため、テレワーク環境を見直そうと、いろいろ物色を始めたところ、「4Kモニター」の文字が目に入った。今までは「4K」とはまったくの無縁で、テレビもフルハイビジョンで満足していた。
4Kモニターを使えば画質が良くなるんだ、程度の知識から私の4Kモニター選びは始まったのである。
4Kモニターって何?
液晶モニターの種類
そもそも、液晶モニターには、大別すると駆動方式で以下の3種類に分けることができる。
- TN方式(Twisted Nematic)
- VA方式(Vertical Alignment)
- IPS方式(In-Plane-Switching)
細かいことは、Google先生に聞いていただければと思うが、各方式のざっくりとしたメリット・デメリットは以下の通り。
駆動方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
1.TN方式 | ・低コスト ・応答速度が早め | ・視野角が狭い |
2.VA方式 | ・黒の表現力が高い ・応答速度が早め | ・視野角がやや狭い |
3.IPS方式 | ・視野角が広い ・発色が良い | ・応答速度が遅め |
一概には言えないが、価格的には「IPS > VA >TN」となる。
今回、私が購入した4Kモニターは、コスパと使い方を考慮して選択した結果、TN方式である「BenQ EL2870U」とした。
TN方式のデメリットである「視野角が狭い」ことは、使用用途によっては気にならないと考える。例えば、テレビのように複数の人が様々な角度から見るような場合はTN方式は向いていない。斜めから見ると色が変わって見えてしまうためである。
しかしながら、パソコンでの用途を考えると、正面からディスプレイを見るのが普通である。私はパソコンモニターとして4Kモニター選びをしたため、低コストのTN方式が最適だった。ゲーム用のモニターとして4Kモニターを使うこともある人は、応答速度が早めのTNモニターは向いている。
私の4Kモニターの用途は、主に仕事とゲームである。仕事ではEXCELやPowerPointなどオフィス系ソフトやブラウザの利用が大半だ。TN方式のデメリットである視野角も、モニターを正面から見るため気にならず、ゲーム用途でも応答速度が早いためメリットに繋がる。
従って、高精細の4Kモニターを使うことによって仕事面では大幅に効率が上がり、ゲーム面でも応答速度が良く、TN方式のメリット享受できていると感じている。
4Kモニターの特長
私が4Kモニターを使うことによって、仕事の効率が大幅に上がったと感じた理由は、モニターに表示できる「情報量」が劇的に増えたからである。
ここで、4Kモニターの特長について触れてみる。
4Kモニターの特長:高解像度=情報量の多さ=綺麗な映像
特長は単純に「高解像度」である、という1点に尽きる。高解像度であるため1画面に多くの情報量を表示することができ、結果、綺麗な映像も映し出すことができる。
現在、パソコン用モニターはフルハイビジョン(FHD)と呼ばれる解像度のものが主流である。FHDの解像度は、1,920ピクセル×1,080ピクセルである。
一方の4Kモニターの解像度は、3,840ピクセル×2,160ピクセルと、FHDと比べて縦横それぞれ倍の情報量を持つため、4Kモニター1枚でFHD4枚分の情報量に相当するのである。
前章で書いた「仕事の効率が上がった」という理由は、この情報量が大きな要因である。
通常、パソコンで仕事をする場合、複数のアプリケーションやウィンドーを同時に立ち上げて、ウィンドーを切り替えながら業務を行うことが多いと思う。これが4Kモニターなら、1画面に複数のウィンドーを並べて作業を行うことができるため、画面を切り替える頻度がかなり低くなるのである。
4Kモニターを使用してからは、1画面を4分割して使うこともある。複数の書類を見比べたり、コピー&ペーストを行いながらの作業が多いので、ウィンドーの切り替え頻度が減り、大きく作業効率が上がったのだ。
4Kモニター BenQ EL2870Uを使ってみてわかったこと
今回購入した4Kモニター BenQ EL2870Uは、HDR(High Dynamic Range)と呼ぶ、明るい色調から暗い色調まで綺麗・滑らかに表現できる機能に対応していたり、ブルーライトカットや輝度自動調整などアイケア技術が採用されている。同様の機能は、他のメーカーのモニターにも装備されていることも多いので、モニター選びの際にはチェックしてみることをオススメする。
4Kモニター選びで注意すべきこと
このように、4Kモニターは仕事の効率アップに有効であることを実感したのだが、注意すべきこともあります。
1.モニターサイズはある程度の大きなモデルを選ぶ
複数のウィンドーを並べることによる作業効率アップが可能だが、モニターサイズが小さいと文字が小さすぎて読めない、ということになる。
Windowsの拡大表示機能を使えば文字を大きく表示することはできるが、これでは4Kモニターのメリットである情報量の多さが半減してしまう。
従って、オフィス系のアプリケーションを使う方は、27インチ以上の4Kモニターをオススメする。ちなみに、今回紹介したBenQ EL2870Uは27.9インチで、購入する時はちょっと大きすぎるかな、と心配したが、結果的にこのサイズで正解であった。
2.パソコンが4K出力に対応しているか確認する
これは、4Kモニター購入後に気付いた点だったのだが、パソコンによっては4K出力に対応していないモデルもあるため、事前に確認しておく必要がある。最近のパソコンなら大抵4K出力に対応しているが、念のため、購入前に確認しておくことをオススメする。
あわせて注意すべき点がもうひとつある。
お持ちのパソコンが4Kモニターに出力できる「リフレッシュレート」60Hzに対応しているか、という点である。
リフレッシュレートとは、わかりやすく表現すると「1秒間に画面を更新できる回数」と理解いただければ良い。パソコンの4Kモニター出力が60Hzのリフレッシュレートに対応していれば問題無いと思うが、パソコンによっては、4K出力の場合、リフレッシュレートが30Hzに制限される、というモデルもある。
FHDモニターを使用している場合は、60Hzのリフレッシュレートに設定されている場合が多いと思うが、60Hzに慣れた人が30Hzのリフレッシュレートを使うと、マウスの動きが滑らかでなくなるため、かなり違和感を感じり。お持ちのパソコンが対応するリフレッシュレートは、パソコンの仕様を調べれば記載されていると思うので、メーカーのWEBサイトなどで確認しておくべきである。
まとめ
4Kモニターを購入する目的は、人それぞれである。映像が精細であるという特長で、映像系のアプリケーションやメディアを利用する方はもちろん、オフィス系のアプリケーションを利用する方にも、作業の効率化というメリットを享受できる4Kモニターの活用を検討してみてはいかがだろうか?